一方、古流武道は神道・仏教(顕・密両教、とくに禅)・儒教・老荘思想、さらには国学思想などとも深いかかわりをもつことによって、日本人としての道徳観や美意識の確立に大きく寄与してきた。多聞内神道奥義 非売品 保証書 武道。これらの思想は、その技法とともに現代武道に伝承され、さらに高度の西欧的な教養を加えて、日本国民の精神構造の基盤をなしている。Ba Gua Zhang Pa Kua Chang八卦掌 姜容樵 Kang Yongman人民体育出版社 中文。
戦後、武道は急速に国際化し、昭和三十九年(一九六四)の東京オリンピックには正式種目として「柔道」が加えられた。忍術秘伝/奥瀬平七郎/昭和34年/自負しているのは忍術の諸術を体系的に整理して殆んど全伝書の術の内容を分類収録してあまりなきことである。欧米の産業人や青年層には、今や武道を通して日本人の心を知ろうとしている人たちが急速に増加しているという。皇化神柔道:昭和柔道史/康井啓楷 全日本柔道会 昭和14年発行。戦後数十年で目ざましい経済成長を遂げた原動力を武道の心に求めようとしているのである。小笠原流弓術伝書その一・弓道資料集/限定復刻版/神巧発射令射術要決・射法全書/礼は小笠原・射は日置・法は真言という言葉が人口に膾炙。もし「武道の心」が新渡戸稲造の言う「日本のこころ」(soul of Japan)に含まれるならば、欧米人の発想は必ずしも短絡に過ぎるとは言えないかも知れない。渋川流柔術伝/柔剛軒書・大正十年/柔術稽古規・柔術大意・武義堂講習・渋川流柔術伝要録/嗚呼当流柔術の効変大ならずや。